第2回:ピボットテーブルでターゲット動向毎に営業戦略を考えるExcelで“売上の中身”を見える化しよう!
前回は、Excelの「散布図(相関図)」を使って“売上に影響する要素”を見える化しました。
今回は一歩進んで、「誰が」「どの商品を」「どの地域で」買っているのかを分析できる、ピボットテーブルの使い方をご紹介します。
Excelのピボットテーブルを使えば、数千件の売上データをほんの数クリックで要約・分類できるようになります。
つまり、日々のデータがそのまま「営業戦略の地図」になるのです。
■ ピボットテーブルとは?
ピボットテーブルとは、Excelの中にある「データを集計・分類して分析する」機能です。
たとえば、次のような売上表があるとします:
| 日付 | 店舗名 | 顧客層 | 商品名 | 売上(円) |
|---|---|---|---|---|
| 4/1 | 大阪店 | 20代女性 | ハンドクリーム | 1,800 |
| 4/1 | 大阪店 | 30代男性 | ヘアワックス | 2,200 |
| 4/2 | 神戸店 | 20代女性 | リップバーム | 1,200 |
| 4/2 | 京都店 | 40代女性 | ハンドクリーム | 2,000 |
| 4/3 | 大阪店 | 20代女性 | ハンドクリーム | 1,800 |
このデータを見ただけでは、「どの店舗でどんな顧客が多いのか」「人気商品は何か」が分かりづらいですよね。
ここでピボットテーブルの出番です!
■ ピボットテーブルで“ターゲット別の売上傾向”を分析する
- データ範囲を選択
- Excelメニューから「挿入」→「ピボットテーブル」をクリック
- 「顧客層」を行、「店舗名」を列、「売上」を値に設定
すると、次のような表が自動的に作られます。
| 顧客層 | 大阪店 | 神戸店 | 京都店 | 合計 |
|---|---|---|---|---|
| 20代女性 | 3,600 | 1,200 | 0 | 4,800 |
| 30代男性 | 2,200 | 0 | 0 | 2,200 |
| 40代女性 | 0 | 0 | 2,000 | 2,000 |
| 合計 | 5,800 | 1,200 | 2,000 | 9,000 |
この表を見ると、「大阪店では20代女性が最も多く購入している」ことが一目で分かります。
つまり、「大阪店は若年層向けキャンペーンを強化しよう」といった戦略を立てやすくなるのです。
■ 売上データを“営業戦略”につなげるポイント
ピボットテーブルで傾向を掴んだら、次のような行動に活かせます:
- 顧客層ごとに人気商品の特徴を把握して仕入れ計画に反映
- 地域・店舗ごとの強みを生かした販促戦略を実施
- 時間帯・曜日ごとの売上を分析してスタッフ配置を最適化
Excelの中に眠っている売上データは、実は「経営のヒントの宝庫」です。
分析を重ねることで、「なんとなくの売上感覚」から「確信を持った戦略立案」へと進化します。
■ ワンポイント:グラフ化でさらに分かりやすく!

ピボットテーブルを作成したら、「ピボットグラフ」を使って視覚化するのもおすすめです。
棒グラフや円グラフを使えば、社内ミーティングでもひと目で状況を共有できます。
例えば「顧客層別 売上割合」の縦棒グラフを作ると、ターゲットの偏りが一目瞭然になります。
これを社内共有すれば、「どこの店舗がどの層に力を入れるべきか」をチーム全体で共有できます。
■ まとめ:データを「集める」から「活かす」へ
ピボットテーブルは、Excelに備わっている“経営のレーダー”のような機能です。
一見バラバラなデータも、ピボットテーブルで整理すれば、「誰に」「何を」「どう売るか」という明確な答えが見えてきます。
次回は、Excelの「相関分析」を使って、売上が伸びない原因を数値で探っていきます。
「なぜ売上が伸びないのか?」をデータで検証する方法を解説します。
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