人材不足と生産性向上を実現するためのデジタルツール活用術
自社の業務効率化や生産性向上を目指すためにデジタル化は今や必要不可欠。でも、中小企業ではなかなかヒト・モノ・カネに時間と労力を割けないのが現実です。とは言え、社内のデジタル化が遅れれば遅れるほど機会損失につながってしまいます。
今回は、各ステップ毎に社内の意識改革と環境整備を進めるための活用術をご紹介します。
Step1. 現状の業務を棚卸して課題を明確にする
まずは、どの業務に時間がかかっているのか、どこにムダがあるのかを洗い出します。
・「どの業務にどれくらい時間がかかっているか?」
・「どの作業が手作業で、ミスが発生しやすいか?」
・「特定の人にしかできない業務があるか?」
これらをリストアップし、改善の優先順位をつけることが重要で課題を特定する際には以下の点に注目すると良いでしょう。
・繰り返し作業が多い業務
・紙ベースでの作業が多い業務
・情報共有がスムーズでない業務
・担当者しか分からない業務
・時間や手間がかかっている業務
また、優先順位をつける際には以下の点を考慮すると良いでしょう
・効果が大きい業務
・導入しやすい業務
・従業員の負担が少ない業務
Step2. すぐにできる業務のデジタル化、自動化から取り組む
すべてを一気にデジタル化するのではなく、効果が見込めてすぐに取り組めるものから始めます。
・Excelマクロを活用した業務の自動化(定型業務の自動化、データ入力、集計の効率化)
・クラウドツールの導入(Exment、Google Drive、Dropbox、Slack、Notionなど)
・ペーパーレス化の推進(書類をデジタル化し、検索しやすい仕組みを作る)
Step3. 社員にデジタル化のメリットを理解させる
デジタル化が進まない理由のひとつに「慣れたやり方を変えたくない」「デジタルツールが難しそう」といった心理的な抵抗があります。
・簡単なExcelマクロの自動化事例を紹介し、業務が楽になることを伝える
・小さな成功体験を積み重ね、「便利だ!」と感じてもらう
また、従業員からの意見や要望を積極的に聞き取り、改善に繋げる事も社内全体で主体的に取り組む社風につながります。
Step4. 経営層がデジタル化の方針を示す
トップダウンで「デジタル化を推進する」という意思を明確にし、社内で実行する環境を整えます。
・デジタル化推進の目標を明確にする(例:「〇ヶ月以内に〇〇業務のデジタル化を完了する」)
・業務効率化に成功した事例を社内で共有し、成功体験を広げる
また、目標設定の際には、以下の点を考慮しましょう。
・定量的な目標を設定する(例:残業時間を20%削減する、ペーパーレス化率50%達成する)
・達成可能な目標を設定する
・期限を設定する
目標を設定したら優先順位の高い業務から、具体的なデジタル化計画を策定します。
計画策定の際には、以下の点を考慮しましょう。
・導入するツールやシステム
・導入スケジュール
・費用
・担当
・従業員への教育・研修
Step5. 外部の専門家やITツールを活用する
社内にデジタルに詳しい人材がいない場合は、外部の専門家やITツールを活用するとスムーズに進められます。
・業務効率化のコンサルティング(Excelマクロの専門家やITコンサルタントに相談)
・業界に特化したITツールの活用(例えば、経理ならクラウド会計ソフト、営業ならCRMツール)
・コンピュータスキルがなくても簡単に使えるノーコードアプリやツールの活用(Exment、Kintone、楽楽販売など)
Step6. デジタル化の継続的な評価と改善を行う
一度デジタル化して終わりではなく定期的に「もっと効率的にできる部分がないか?」を見直して改善を続けることが大切です。
・「デジタル化した業務の効果」を定期的に確認する
・新しいツールや技術を試しながら業務を最適化していく
評価の際には、以下の点に注目しましょう。
・目標達成度
・業務効率の変化
・従業員の満足度
まとめ:まずは「小さな成功体験」から!
デジタル化が進まない企業ほど、いきなり大きな改革をしようとすると抵抗が強くなります。
・簡単なExcelマクロの自動化からスタートする
・すぐに効果が出る業務の効率化から取り組む
・社員が「便利だ」と感じる体験を積み重ねる

