【第2回】Excelユーザーがつまずくポイントと、Exmentが“扱いやすい”理由
前回は、Exment・kintone・FileMakerの3つのツールの全体像と選定基準を整理しました。 第2回の今回は、より実務に近い視点で「Excelユーザーがどこで限界を迎え、なぜExmentが最適化されているのか」を深く掘り下げます。
Excelは非常に優秀なツールですが、あるラインを超えると急激に業務が複雑化し、“Excel地獄”と呼ばれる状態に陥ります。
この問題を解決するための考え方と、Exmentがどのように設計されているのかを丁寧に解説します。
1. Excelユーザーがつまずく3つの典型ポイント
Excel中心の企業で共通して起こる課題は、大きく次の3つに分類できます。
①「最新版がどれか分からない」問題
Excelはファイル単位で管理するため、次のような状況が頻発します。
- 同じ名前のファイルが複数存在する
- 担当者ごとにローカル保存されバージョンが乱立
- 古いデータを誤って編集してしまう
結果、管理者は常に「どれが最新のデータ?」を探し続ける業務に追われます。
②「関数・マクロの属人化」問題
Excelが便利であるがゆえ、管理者が独自の関数・VBAを組み込みすぎると、次のような事態になります。
- 作った本人以外、何が行われているか分からない
- シートを壊さないように編集しづらい
- 担当者が辞めた瞬間に運用不能になる
属人化すると、データが会社の資産ではなく「個人の頭の中」に閉じ込められてしまいます。
③「同時編集・履歴管理の限界」
Excelは基本的にローカル作業が前提で、同時編集や閲覧管理に弱いのが特徴です。
そのため、
- 複数人で編集すると破損しやすい
- 誰が何を変更したか追えない
- 誤操作が起きても戻せない
といった問題が生じ、運用トラブルを引き起こします。
2. Excelの限界を超えるために必要な“3つの条件”
上記の課題を解決するには、次の3つの条件が不可欠です。
① データが一元管理できる仕組み
複数のExcelを統合し、誰が見ても同じデータを表示できる仕組みが必要です。
② 項目追加や修正が簡単であること
Excelのように“列を増やす感覚”でデータ構造を編集できなければ、現場での改善が止まります。
③ 初心者でも扱える操作性
高度なプログラミング知識やコードが必要になると、一気に運用ハードルが上がります。
これらすべてを満たすのが、Exmentというツールです。
3. Exmentの設計思想:「Excelの延長線でデータベースを扱える」
Exmentは一言で言うと、
“Excelで管理している情報を、そのままWebデータベースに置き換える設計”
で作られています。
この設計思想が、Excelユーザーの「つまずくポイント」を根本から解決します。
■ ① テーブル(表)の概念がExcelに非常に近い
Exmentでは、データを「テーブル(表)」として管理します。 これはExcelでいう「シート」に近いイメージです。
- 行 = データ1件
- 列 = 項目
Excelに慣れていれば、データベースの専門知識がなくても直感的に扱えます。
■ ② ノーコードで項目追加・フォーム作成ができる
たとえば新しい管理項目を追加したい場合、Excelなら列を挿入しますよね。
Exmentでも同じで、管理画面から選択するだけで新しい項目を追加できます。
— コード不要 — データベースの知識不要 — “触って覚えられる”操作性
これは他ツールと比べて大きな利点です。
■ ③ CSV・Excelファイルとの相性が抜群に良い
ExmentはCSVインポートやExcel出力が標準搭載されており、データ移行がスムーズです。
既存データを捨てずにそのまま活用でき、多くの企業が“短期間で移行できた”と評価しています。
4. 実際の企業事例:Excel管理の限界が解消したケース
■ 事例①:安全教育の受講管理が複雑化した電設会社
電設工事業A社では、全社員の資格・教育履歴をExcelで管理していましたが、毎月更新が必要でミスが頻発していました。
Exment導入後は、
- テーブルを「社員マスタ」「資格マスタ」「受講履歴」に分割
- 自動集計で最新の受講状況が一目でわかるように
- フォーム入力のため誤入力が激減
- 月10時間以上削減
担当者は「Excelより圧倒的にラクになった」と評価しました。
■ 事例②:内装工事会社の見積管理が効率化
B社では見積管理が複数のExcelに分かれ、過去データの検索に時間がかかっていました。
Exment導入後は、
- 案件名、顧客、見積金額の検索が即座にできる
- 過去の見積書を再利用できミスが減少
- 担当者全員が同じデータを共有
結果として、月間の業務工数が大幅に減り、営業スピードも向上しました。
5. まとめ:Excelユーザーの“つまずき”をExmentが丁寧に解消する
Excelは便利ですが、組織で業務運用するには限界があります。 Exmentはその「Excelの弱点」を補い、かつ「Excelユーザーの感覚のまま」業務改善を進められるよう作られています。
第3回では、Exment・kintone・FileMakerの機能・構造・運用負担の違いをさらに徹底比較し、 それぞれの強みと弱みを深掘りします。


