第4回:回帰分析を使って広告費用毎の来客数を予測するExcelで作る“簡易予測モデル”で広告投資の効果を数値化しよう!

みなさんは「広告にいくら使えば、どれくらいお客様が来るのか?」を感覚で判断していませんか?
Excelの回帰分析を使えば、この「広告費と来客数の関係」を数値で“見える化”し、次の投資判断に活かせるようになります。

今回は、実際の店舗データを例にしながら、Excelだけで作れる“来客数予測モデル”の作り方をご紹介します。


📊 回帰分析とは?

回帰分析とは、ある変数(広告費)が他の変数(来客数)にどのように影響しているかを分析する方法です。
Excelでは「分析ツール(回帰分析)」を使って、広告費と来客数の関係を回帰直線という形で数式化できます。

たとえば次のような式になります:

来客数 = a × 広告費 + b

この式がわかれば、広告費を変えたときの来客数を“予測”できるようになります。


💡 例題:広告費と来客数のデータを分析してみよう

ある飲食店の1か月ごとのデータを例にします。

広告費(円)来客数(人)
1月30,000220
2月50,000280
3月70,000340
4月40,000250
5月60,000310

このデータを使って、広告費がどれくらい来客数に影響しているかを調べます。


🧭 手順:Excelで回帰直線を作成する

  1. 広告費(X軸)と来客数(Y軸)のデータを選択します。
  2. 「挿入」→「散布図」を選択してグラフを作成します。
  3. グラフ上でデータ系列を右クリックし、「近似曲線の追加」をクリック。
  4. 「線形近似」を選択し、「グラフに数式を表示」「グラフにR²値を表示」にチェックを入れます。

これでグラフ上に回帰直線と数式が表示されます。たとえば次のような結果になるかもしれません:

来客数 = 0.003 × 広告費(千円単位) + 130
来客数220人 = 0.003 × 広告費30,000円 + 130

つまり、広告費を1,000円増やすごとに約7.3人の来客増が見込めるということです。


📈 広告費の“最適値”を考える

ここで重要なのが「どの程度の広告投資が最も効率的なのか」という視点です。
来客数が増えても、広告費が増えすぎて利益が減るようでは意味がありません。

たとえば平均客単価が2,000円の場合、来客数の増加分×2,000円が広告効果です。
それが広告費を上回っていれば“投資効果あり”と判断できます。

このようにExcelの回帰式を使えば、費用対効果を数値で検証でき、「どこまで広告費をかけるべきか」を明確にできます。


🔍 分析結果の読み取り方

グラフのR²値(決定係数)も確認しましょう。
これは「データの一致度」を示す値で、1に近いほど関係が強いことを意味します。

  • R²=0.8以上:広告費が来客数に強く影響している
  • R²=0.5前後:他の要因(天気・曜日など)も関係している
  • R²=0.2以下:広告費との関係は弱い

このように、数値で「効果があった・なかった」を見極めることができれば、次の一手をより精密に打てるようになります。


💬 まとめ:Excelで“感覚経営”から“数値経営”へ

今回紹介した回帰分析を使えば、「広告費をいくら使えば、来客数はどれくらい増えるのか」をデータで予測できます。
Excelだけでここまでできるのは驚きではないでしょうか?

次回は、さらに複数の要因(気温・曜日・天気など)を組み合わせて予測する「重回帰分析」をご紹介します。
より実践的な“現場で使える分析”にステップアップしていきましょう!


🧩 ReadBellでは、Excelを活用した経営分析ツール開発を承っています

「広告費・売上・来客数を自動で分析してグラフ化したい」
「週次レポートを自動生成するマクロを作りたい」
そんなお悩みは、ReadBellにご相談ください。
Excelマクロやデータ可視化ツールの開発を通して、貴社の“数字で考える経営”をサポートいたします。

▶ 経営に活かせるExcel分析ツールを相談する

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です