第1回:相関図で売上げを可視化しようExcelグラフで“感覚”を“見える化”する!
「広告費を増やしたのに売上が伸びない」「天気や曜日によって客数が変わる気がする」──
そんな“なんとなく感じている傾向”を数字で確かめられるのが、Excelの相関図(散布図)です。
今回は、Excelを使って「売上」と「広告費」の関係をグラフで可視化する方法を紹介します。
経営判断を“感覚”ではなく“データ”で裏付ける第一歩です。
■ 相関図(散布図)とは?
相関図とは、2つのデータの関係性を視覚的に表すグラフです。
たとえば、横軸に「広告費」、縦軸に「売上」を設定すると、次のような見方ができます:
- 右上がりの傾向 → 広告費を増やすほど売上も伸びている(正の相関)
- 右下がりの傾向 → 広告費を増やすほど売上が下がっている(負の相関)
- バラバラ → 関係性が薄い(相関がない)
つまり、「どんな要素が売上に影響しているか」を簡単に見つけることができるのです。
■ 実例:広告費と売上の関係を見てみよう
以下のようなデータを使ってみましょう。
| 月 | 広告費(万円) | 売上(万円) |
|---|---|---|
| 1月 | 10 | 120 |
| 2月 | 15 | 150 |
| 3月 | 20 | 180 |
| 4月 | 25 | 200 |
| 5月 | 30 | 210 |
| 6月 | 35 | 215 |

このデータをもとに散布図を作成してみましょう。
- 「広告費」と「売上」のデータを選択
- Excelメニューの「挿入」→「散布図」をクリック
- グラフが表示されたら「グラフ要素の追加」→「近似直線」を選択
グラフに斜めの線(近似直線)が表示され、右上がりなら「広告費を増やすほど売上が上がる傾向がある」と判断できます。
■ 分析結果を経営にどう活かす?
相関図を作ることで、次のような経営判断が可能になります。
- 広告効果がある時期を特定して、投資効率を高める
- 効果の薄い広告媒体を見直す
- 売上に関係のある要素(天気、曜日、担当者など)を見つける
たとえば飲食店なら、「雨の日の来店数」と「天気」の関係を見たり、
小売店なら「LINE配信回数」と「売上」の相関を見ることで、より的確な販促戦略が立てられます。
■ 実践のコツ:相関係数で“数値的に判断”する
グラフの傾向に加えて、数値でも関係の強さを確認できます。
Excelの関数 =CORREL(範囲1, 範囲2) を使うと、相関係数が求められます。

- +1 に近い → 強い正の相関(片方が上がるともう一方も上がる)
- 0 に近い → 関係なし
- -1 に近い → 強い負の相関(片方が上がるともう一方は下がる)
この数値を知ることで、「なんとなく関係がありそう」ではなく、「データで裏付けられた確信」が得られます。
■ まとめ:まずは“見える化”から始めよう
相関図は、Excelの中でも最も手軽で効果的な分析方法の一つです。
複雑な統計分析を行わなくても、売上に影響する要因をすぐに発見できます。
次回は、Excelのピボットテーブルを使って、ターゲット層や地域別の売上傾向を分析していきます。
「どのお客様層が一番利益を生んでいるのか?」を数字で見える化します。
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