第4回 SUBTOTALとGROUPBYで“集計できる表”を作る
この記事でできるようになること(ゴール)
- ✅ フィルター後の正しい合計を出せる
- ✅ 集計に強い「壊れない表」を作れる
- ✅ 管理資料・報告書の品質が上がる
- ✅ Excelを“分析ツール”として使えるようになる
よくある悩み:フィルターすると合計が合わない
Excelで集計するとき、多くの人が次のような経験をします。
- フィルターで「東京支店」だけ表示
- 表示されている売上を見て合計を確認
- しかし下にある合計値は全体のまま
つまり…
👉 表示されている数字と合計が一致しない
これは SUM 関数が「非表示の行も含めて計算する」ためです。
この問題を解決するのが SUBTOTAL
SUBTOTAL は、フィルター後の表示データだけを集計する関数です。
管理資料では必須と言える機能です。
SUBTOTALの書き方
=SUBTOTAL(集計方法, 範囲)
主な集計方法コード
番号 内容
1 平均
2 個数(数値)
3 個数(文字含む)
9 合計
最もよく使うのは「9(合計)」です。
サンプル売上データ(第1回と同じ)
A B C D
1 日付 支店 担当者 売上額
2 2026/04/01 東京 田中 120000
3 2026/04/01 大阪 佐藤 95000
4 2026/04/02 東京 鈴木 143000
5 2026/04/02 福岡 高橋 88000
6 2026/04/03 大阪 山本 76000
7 2026/04/03 東京 田中 158000
8 2026/04/04 福岡 中村 91000
9 2026/04/04 東京 鈴木 132000
10 2026/04/05 大阪 佐藤 110000
11 2026/04/05 東京 田中 167000
フィルター対応の合計を出す
売上額(D列)の合計:
=SUBTOTAL(9, D:D)
実際の動き
1️⃣ フィルターなし
👉 全体の合計が表示される
2️⃣ 支店=東京でフィルター
👉 東京支店のみの合計に変わる
3️⃣ 担当者でさらに絞る
👉 表示中のデータだけの合計になる
SUM関数との違い(重要)
| 項目 | SUM | SUBTOTAL |
|---|---|---|
| 非表示行 | 含む | 含まない |
| フィルター対応 | ❌ | ✅ |
| 集計用資料 | 不向き | 最適 |
管理資料でSUBTOTALが必須な理由
会議や報告で使う資料は、
👉 「表示している範囲の合計」
が求められます。
例えば:
- 支店別の売上
- 月別の売上
- 担当者別の成績
フィルターを使う場面では SUBTOTAL 以外は不適切です。
GROUPBY:新しい自動集計関数
Microsoft 365 では、関数だけで
「グループごとの集計」を作ることができます。
これが GROUPBY です。
GROUPBYの書き方
=GROUPBY(グループ範囲, 集計範囲, 集計方法)
例:支店別売上の自動集計
=GROUPBY(B:B, D:D, SUM)
意味:
- B列(支店)ごとに
- D列(売上額)を
- 合計する
👉 支店別の集計表が自動生成される
GROUPBYの特徴
- 新しいデータが追加されても自動更新
- ピボット不要
- 数式だけでクロス集計
- ダッシュボード作成に向いている
SUBTOTALとGROUPBYの使い分け
用途 使う関数
表示中のデータの合計 SUBTOTAL
グループ別の集計 GROUPBY
実務での活用例
SUBTOTALが活躍する場面
- フィルター付き管理表
- 月次報告資料
- 案件一覧の集計
- 在庫管理表
GROUPBYが活躍する場面
- 支店別売上一覧
- 担当者別ランキング
- 商品別分析
- 簡易レポート
初心者がつまずくポイント
① SUBTOTALはフィルターが前提
フィルターを使わない場合、SUMと同じ結果になります。
② GROUPBYは最新Excelのみ対応
古いExcelでは使用できません。
③ GROUPBYは表形式データで使う
空行や不規則なデータがあると正しく集計できません。
管理職・経営者視点:数字の信頼性が上がる
SUBTOTALとGROUPBYを使うことで、
- 誤った合計表示を防げる
- 資料の正確性が上がる
- 説明がしやすくなる
- 分析のスピードが上がる
つまり「意思決定の質」が向上します。
今日のまとめ
- SUBTOTALはフィルター後の合計を出す必須関数
- SUMでは管理資料として不十分
- GROUPBYは関数だけでグループ集計が可能
- Excelを分析ツールとして使う重要なステップ
次回予告
第5回では、関数だけでクロス集計を作る
PIVOTBY を解説します。
- ピボットテーブル不要
- 数式ベースの分析
- ダッシュボード作成
- SUMIFSとの違い

