第2回 SUMIFSで“複数条件の集計”を自由自在にする
この記事でできるようになること(ゴール)
- ✅ 「支店 × 担当者 × 期間」など複数条件で集計できる
- ✅ Excelで最も実務的な関数 SUMIFS を理解する
- ✅ 会議資料や月次報告に使える集計表を作れる
- ✅ 自己流の集計から一歩抜け出せる
第1回のおさらい:1つの条件だけでは足りない
前回は COUNTIF と SUMIF を使い、
- 東京支店の件数
- 東京支店の売上合計
といった 「1つの条件の集計」 を行いました。
しかし実務では、次のような条件が必要になります。
- 東京支店 かつ 営業部
- 大阪支店 かつ 担当者:佐藤
- 福岡支店 かつ 4月分の売上
- 商品A かつ 特定の仕入先
SUMIFでは、条件は1つしか指定できません。
ここで登場するのが SUMIFS(サムイフス) です。
SUMIFSとは?
SUMIFSは「複数条件に一致するデータの合計」を求める関数です。
実務では SUMIF より使用頻度が高いと言っても過言ではありません。
SUMIFSの書き方
=SUMIFS(合計範囲, 条件範囲1, 条件1, 条件範囲2, 条件2, …)
SUMIFと違い、最初に 合計範囲 を書く点に注意してください。
SUMIFSの仕組み
パーツ 意味 例
合計範囲 足す列 売上額(D列)
条件範囲1 1つ目の条件を見る列 支店(B列)
条件1 1つ目の条件 東京
条件範囲2 2つ目の条件を見る列 担当者(C列)
条件2 2つ目の条件 田中
サンプル売上データ
(第1回と同じデータを使用)
A B C D
1 日付 支店 担当者 売上額
2 2026/04/01 東京 田中 120000
3 2026/04/01 大阪 佐藤 95000
4 2026/04/02 東京 鈴木 143000
5 2026/04/02 福岡 高橋 88000
6 2026/04/03 大阪 山本 76000
7 2026/04/03 東京 田中 158000
8 2026/04/04 福岡 中村 91000
9 2026/04/04 東京 鈴木 132000
10 2026/04/05 大阪 佐藤 110000
11 2026/04/05 東京 田中 167000
例1:東京支店「田中」の売上合計
=SUMIFS(D:D, B:B, "東京", C:C, "田中")
意味:
- B列が「東京」
- C列が「田中」
- その行のD列を合計
つまり「東京支店の田中さんの売上合計」です。
例2:セルを使った実務的な方法(最重要)
F2に支店名、G2に担当者名を入力します。
=SUMIFS(D:D, B:B, F2, C:C, G2)
これで入力値を変えるだけで集計が切り替わります。
👉 分析表や報告書ではこの使い方が基本になります。
例3:期間条件(4月1日以降の売上)
日付を条件にすることも可能です。
=SUMIFS(D:D, A:A, ">=2026/04/01")
さらに範囲指定もできます。
4月1日〜4月3日まで
=SUMIFS(D:D, A:A, ">=2026/04/01", A:A, "<=2026/04/03")
実務で最もよく使う組み合わせ
支店 × 担当者 × 期間
=SUMIFS(D:D, B:B, F2, C:C, G2, A:A, ">=2026/04/01", A:A, "<=2026/04/30")
月次報告、営業管理、実績分析など、ほぼすべての業務で使えます。
COUNTIFS:件数版もある
SUMIFSの件数版が COUNTIFS です。
東京支店・田中の件数
=COUNTIFS(B:B, "東京", C:C, "田中")
なぜSUMIFSが重要なのか(本質)
Excel業務の大半は、実は次の一言に集約されます。
👉 「条件に合うデータだけ集計したい」
SUMIFSが使えると:
- データベースのような分析ができる
- 集計作業のほとんどが自動化できる
- 会議資料がすぐ作れる
- 数字の根拠が明確になる
つまり、Excelが単なる表から分析ツールに変わるのです。
初心者がつまずくポイント
① 合計範囲を最初に書く(SUMIFと逆)
SUMIF:
=SUMIF(条件範囲, 条件, 合計範囲)
SUMIFS:
=SUMIFS(合計範囲, 条件範囲, 条件)
ここで混乱する人が非常に多いです。
② すべての範囲は同じ行数にする
B列・C列・D列・A列など、対象範囲は同じ行数に揃えます。
③ 日付条件は「>=」「<=」を使う
文字列ではなく条件式として書きます。
管理職・経営者視点:分析力が変わる
SUMIFSを使える人と使えない人では、
「数字の見え方」が根本的に変わります。
例えば:
- 支店別の利益状況
- 担当者別の成果
- 商品別の売れ筋
- 時期による変動
これらを瞬時に分析できるようになります。
今日のまとめ
- SUMIFSは複数条件の合計を求める最重要関数
- 実務ではSUMIFより使用頻度が高い
- 支店・担当者・期間などの組み合わせ分析が可能
- セル参照を使うと実用的な集計表になる
- COUNTIFSで件数も求められる
次回予告
第3回では、検索作業を一瞬で終わらせる
XLOOKUP関数 を解説します。
- 担当者から所属部署を取得
- 商品コードから商品名を取得
- VLOOKUPとの違い
- 実務での使いどころ
Excelを「入力ツール」から「参照ツール」へ進化させる重要なステップです。

