第3回 AIの前に、業務が整理されていないという問題

― AIが入らない会社に共通する、たった一つの特徴 ―

第2回では、
経営者がAIに対して感じている「怖さ」の正体を掘り下げました。

その不安は、AIそのものではなく、
**「社内の状態が見えきっていないこと」**にある。

今回は、その続きをもう一段深く見ていきます。

結論から言ってしまうと、
AIが活きない会社には、ほぼ共通した特徴があります。

それは、

業務が整理されていない

という一点です。


AIは、整理されていない会社を助けてはくれない

少し厳しい言い方をしますが、
AIは魔法の道具ではありません。

・ぐちゃぐちゃの業務
・人によって違うルール
・どこに何があるか分からない情報

こうした状態を、
AIが勝手に整えてくれることはありません。

むしろ逆です。

AIは、
会社の中の“整理されていない部分”を、そのまま映し出します。

だからこそ、
AIの話が出た瞬間に違和感を覚える会社があるのです。


「AIを入れる前に忙しすぎる」という現実

多くの中小企業の現場は、こうです。

・日々の業務で手一杯
・改善したい気持ちはあるが時間がない
・誰かが辞めると業務が止まりそう

この状態で「AIを導入しましょう」と言われても、
正直、ピンときません。

それどころか、

「そんな余裕があったら、今の仕事を回したい」

というのが本音でしょう。

ですが、ここに大きな落とし穴があります。

忙しさの正体が、“整理されていない業務”そのもの
であるケースが非常に多いのです。


見えていないだけで、ムダは至る所にある

例えば、こんな場面はありませんか?

・同じ内容を、何度も別のExcelに入力している
・人によって管理表の形式が違う
・確認のためだけの資料作成に時間を取られている
・「あの人に聞かないと分からない」業務がある

どれも、特別な問題ではありません。
多くの会社で当たり前に起きています。

しかし、これらはすべて、

AI以前に、業務整理で解決できる問題

です。

AIを入れなくても、
業務の流れを少し整えるだけで、
驚くほど仕事は軽くなります。


経営者が感じる違和感の正体

ここで、経営者の感覚に立ち戻ってみましょう。

AIの話になると、
なぜかモヤっとする。

なぜか話を先に進めたくなくなる。

その理由は、
「AIが分からないから」ではありません。

AIの話をすると、
今まで曖昧にしてきた業務の状態と
向き合わされるから
です。

・誰が何をやっているのか
・なぜそのやり方なのか
・本当に必要な作業なのか

AIは、こうした問いを
静かに突きつけてきます。

だから無意識に、
距離を取りたくなってしまうのです。


AIは「業務の答え」をくれる存在ではない

ここで、誤解されがちな点を整理しておきましょう。

AIは、

・業務フローを考えてくれる
・最適なやり方を決めてくれる
・会社に合った答えを自動で出してくれる

こうした存在ではありません。

AIが得意なのは、

すでに整理された情報を、
速く・分かりやすく扱うこと

です。

つまり、

・業務が整理されている
・データが集まっている
・判断基準がある

この状態になって初めて、
AIは力を発揮します。


AIが入らないのは「遅れている」からではない

ここまで読むと、
「うちはまだAI以前の段階だ」と
感じるかもしれません。

でも、それは決して
遅れているという意味ではありません。

むしろ、

多くの中小企業が、同じ位置にいる

というのが現実です。

大切なのは、
「AIを入れるかどうか」ではなく、

AIが入っても困らない会社に近づいているか

という視点です。


次回予告

次回はいよいよ、

「AIの前段階として、何から始めればいいのか」

を具体的に見ていきます。

難しいIT投資は必要ありません。
高額なシステム導入の話もしません。

中小企業の現場で、
現実的に・無理なく・確実に効く一歩とは何か。

ここで初めて、
「業務改善ツール」という存在が
自然な流れで登場します。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です