Excel作業を卒業するための実務ステップアップ講座

PowerPivotで始める「大量データ×高速集計」入門

第4回 PowerPivotは何者なのか?

― ピボットが遅くなるExcelから卒業する ―


PowerQueryでデータを整えられるようになると、
次に多くの人がこう感じ始めます。

・データ量が増えてきた
・ピボットテーブルが重くなってきた
・集計の切り替えに時間がかかる
・Excelが固まるのが怖い

ここまで来ると、
「Excelもそろそろ限界かな…」
と考える人も少なくありません。

ですが、ここで知ってほしいことがあります。

Excelは、まだ本気を出していません。

その“本気モード”が、
今回から紹介する PowerPivot です。


PowerPivotは「特別な人の機能」ではない

PowerPivotと聞くと、

・上級者向け
・BIツールっぽい
・難しい数式が必要

というイメージを持たれがちです。

ですが、PowerPivotの正体はとてもシンプルです。

「Excelの中にある、高性能な集計エンジン」

見た目はExcel、
操作もExcel、
でも中身の仕組みが違います。


普通のピボットが重くなる理由

まず、通常のピボットテーブルを思い出してください。

・元データはワークシート上
・行数が増えるほど処理が遅くなる
・複雑な集計で重くなる

これは、
Excelがセルを1つずつ見て集計している
ためです。

データが増えれば増えるほど、
どうしても限界が来ます。


PowerPivotは「列」で考えるExcel

PowerPivotの最大の特徴は、

セルではなく、列単位でデータを扱う

という点です。

・セル1つずつではなく
・列全体を一気に処理する

これにより、

・100万行近いデータ
・複数年分の履歴データ

でも、
驚くほど軽快に集計できます。


PowerQueryとの役割分担を整理しよう

ここで、役割をはっきりさせておきます。

PowerQuery

  • データを取り込む
  • 加工・整形する
  • 形を整える

PowerPivot

  • 集計する
  • 関係性を持たせる
  • 高速に計算する

つまり、

PowerQueryは下ごしらえ、
PowerPivotは調理

という関係です。


PowerPivotを使うと何が変わるのか

PowerPivotを使うと、
Excelで次のようなことが可能になります。

・大量データでもサクサク集計
・複数の表を関連付けて集計
・年別、月別などの切り替えが高速
・ピボットの再計算が軽い

そして何より、

「Excelが重いから我慢する」
という状況から解放されます。


これまで学んだことが、全部つながる

ここまでのステップを振り返ってみましょう。

  • テーブル → データの型
  • 構造化参照 → 意味で考える
  • ピボット → 切り口を変える
  • PowerQuery → 整える
  • PowerPivot → 高速に集計する

PowerPivotは、
今までやってきたことの集大成です。

新しい考え方を一から覚えるというより、
今までの延長線上にあります。


DAXは「後でいい」

PowerPivotと聞くと、
必ず出てくるのが DAX という言葉です。

ここで、はっきり言います。

この回では、DAXは使いません。

まずは、

・PowerPivotとは何か
・なぜ速いのか
・いつ使うべきか

を理解することが最優先です。

DAXは、
「必要になったら覚える」
で十分です。


PowerPivotは「我慢しないExcel」

PowerPivotを使うようになると、

・処理が遅いから諦める
・データを削って対応する
・月ごとに分けて管理する

といった“妥協”が減ります。

Excelを、
本来の形で使えるようになります。


VBAやマクロとの関係

ここでも整理しておきます。

PowerPivotは、

・VBAの代替
・マクロの強化版

ではありません。

役割が違います。

  • VBA:操作を自動化
  • PowerPivot:集計を高速化

実務では、

集計の8〜9割は
PowerPivotで十分
です。


次回予告

次回は、
PowerPivotの最大の武器である

「複数テーブルをつなげて集計する」
リレーションの考え方

を、
図をイメージしながら分かりやすく解説します。

ここを理解すると、
Excelの世界観が一段変わります。

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