Excel作業を卒業するための実務ステップアップ講座

PowerQueryで始めるExcel自動化入門

第3回 加工・整形を「作業」から「仕組み」へ

― 毎回やっている前処理を、二度と手でやらないために ―


CSVや複数ファイルをまとめられるようになると、
次に必ず出てくるのが、こんな作業です。

・不要な列を削除する
・列の順番を並び替える
・日付や数値の形式を直す
・空白行や不要な行を消す
・列を分割・結合する

これらはすべて、
**「分析の前に必ずやる下準備」**です。

そして多くの現場では、
この下準備を 毎回、人が手でやっています。


なぜ「前処理」が一番時間を奪うのか

Excel作業で時間がかかる原因は、
実は集計や分析ではありません。

一番時間を奪っているのは、

「データを使える形に直す作業」

です。

・コピーして
・貼り付けて
・直して
・確認して

しかもこの作業は、

・目立たない
・評価されにくい
・ミスが起きやすい

という特徴があります。

だからこそ、
真っ先に仕組み化すべき工程でもあります。


PowerQueryの本当の役割

PowerQueryの役割は、
「データを取り込むこと」だけではありません。

本当の役割は、

「加工・整形の手順を、Excelに覚えさせること」

です。

一度覚えさせれば、

・次回以降は触らない
・同じ結果が必ず出る
・手順を説明できる

という状態になります。


加工・整形の代表的な作業

PowerQueryでよく使う加工・整形には、
次のようなものがあります。

・不要な列の削除
・列の並び替え
・列の分割(区切り文字)
・列の結合
・データ型の変更(日付・数値・文字)
・空白行、不要行の削除

これらは、
Excelの画面操作とほぼ同じ感覚で実行できます。

違いは、

「一度やれば、次は自動」

という点です。


「列を削除する」だけでも価値がある

PowerQueryを使い始めるとき、
よくある誤解があります。

「全部きれいに作らないと意味がない」

これは間違いです。

例えば、

・使わない列を毎回削除している

これだけでも、
PowerQueryに任せる価値があります。

理由は単純です。

・作業が減る
・削除漏れがなくなる
・他の人が同じ形を使える

1つの作業を減らすだけで、
十分に“自動化”です。


列の分割・結合は「人がやる作業」ではない

実務では、

・「商品コード‐商品名」を分けたい
・「姓 名」を分けたい
・日付と時刻を分けたい

といった作業がよくあります。

これを手作業でやると、

・列を挿入して
・関数を書いて
・コピーして
・値貼り付けして

という流れになります。

PowerQueryでは、

「この文字で分ける」
「この列を結合する」

という操作を一度設定するだけです。

次回からは、
新しいデータでも自動で処理されます。


データ型を揃えるだけで、事故は減る

PowerQueryで非常に重要なのが、
データ型です。

・日付として扱うのか
・数値として扱うのか
・文字として扱うのか

これを最初に決めておくことで、

・日付がズレる
・数値なのに計算できない
・並び替えがおかしくなる

といった事故を防げます。

これは、
「後で気をつける」のではなく
「最初に決める」

という考え方です。


手順が「見える」ことの価値

PowerQueryの画面を見ると、
右側に「適用したステップ」という一覧が表示されます。

ここには、

・どんな加工を
・どんな順番で

行ったかが、すべて残っています。

これは、

・自分が後で見返すとき
・他の人に引き継ぐとき

に、非常に大きな価値を持ちます。

Excelでよくある
「なぜこうなっているか分からない」
という状態を防げます。


「作業」から「工程」へ意識を変える

PowerQueryを使うときのコツは、

「今、何をしているか」ではなく
「どんな工程か」

で考えることです。

・不要な列を消す工程
・形式を揃える工程
・分析用に整える工程

このように考えると、

作業は減り、
仕組みは強くなります。


ピボット・PowerPivotへの受け渡しが楽になる

ここまで整えたデータは、

・ピボットテーブル
・ピボットグラフ
・PowerPivot

に、そのまま渡せます。

データが整っているため、

・集計が壊れない
・結果が安定する
・説明しやすい

という状態になります。

これは、
前回までのExcelシリーズと
完全につながるポイントです。


VBAやマクロは、やはり不要

ここまで来ても、
VBAやマクロは登場していません。

それでいて、

・作業は減る
・ミスは減る
・再現性は上がる

PowerQueryは、

「Excelで一番コスパの良い自動化」

と言っても過言ではありません。


次回予告

次回は、
PowerQueryで整えたデータを、

「大量データでも軽く集計する」
PowerPivotの入口

へ進みます。

PowerPivotは難しくありません。
むしろ、
ここまで来た人のための機能です。

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