Excel作業を卒業するための実務ステップアップ講座
PowerQueryで始めるExcel自動化入門
第1回 PowerQueryは何ができるのか?
― 毎月同じ作業を繰り返すExcelから卒業する ―
Excelでの作業に、こんな違和感を覚えたことはありませんか。
・毎月、同じCSVを開いている
・毎回、同じ列を削除・並べ替えしている
・コピー&貼り付けの手順が決まっている
・「前回と同じ作業」を、また最初からやっている
ここまでくると、多くの人はこう考えます。
「Excelって、結局手作業が多いな…」
「自動化するには、マクロやVBAが必要なんだろうな…」
ですが、ここで一つ大事なことをお伝えします。
その作業、VBAを書かなくても自動化できます。
そのための機能が、
今回から紹介する PowerQuery です。
PowerQueryは「上級者向け機能」ではない
PowerQueryと聞くと、
・難しそう
・ITに強い人向け
・プログラミングが必要
そんなイメージを持つ人が少なくありません。
ですが、実務でのPowerQueryの役割は、とてもシンプルです。
「毎回同じ前処理を、Excelに覚えさせる」
これだけです。
関数を増やす必要も、
VBAを書く必要もありません。
PowerQueryが得意なこと
PowerQueryが本領を発揮するのは、
次のような場面です。
・CSVファイルを毎月取り込んでいる
・複数のExcelファイルをまとめている
・不要な列を毎回削除している
・列の並びや名称を毎回直している
・集計前の「下準備」に時間がかかっている
これらはすべて、
**「作業としてやる必要がない処理」**です。
PowerQueryを使うと、
こうした手順を 一度だけ記録 し、
次回以降は ボタン1つで再実行 できます。
PowerQueryは「自動化」ではなく「仕組み化」
ここで大事な考え方があります。
PowerQueryは、
「勝手に動く魔法の機能」ではありません。
**「正しい手順を、正しい形で残す仕組み」**です。
- どのファイルを読むのか
- どの列を使うのか
- どの順番で加工するのか
これらをExcel自身が理解できる形で持ちます。
結果として、
・やることは同じ
・ミスは減る
・説明もしやすい
という状態になります。
今まで学んだExcelスキルが、そのまま生きる
ここで、これまでのシリーズを思い出してください。
- 表をテーブルとして扱う
- 列名で考える
- 集計はピボットで行う
これらはすべて、
PowerQueryの考え方と完全につながっています。
PowerQueryでは、
・セル番地はほとんど意識しない
・列名がすべての基準
・「データの形」を整える
という思想がベースになります。
つまりPowerQueryは、
**Excel初級を卒業した人の“次の一歩”**として
非常に自然な選択肢なのです。
PowerQueryで出来るようになること(具体例)
PowerQueryを使うと、
Excelで次のようなことが出来るようになります。
・毎月のCSV取込 → ワンクリック更新
・複数ファイルの結合 → 自動
・不要な行・列の削除 → 再利用可能
・日付や文字形式の統一 → 仕組み化
・ピボット用データの自動生成
重要なのは、
一度作れば、次からは触らなくていい
という点です。
VBAやマクロとの決定的な違い
ここで、よくある誤解を整理しておきます。
PowerQueryは、
・VBAの代わり
・マクロの簡易版
ではありません。
役割が違います。
- VBA / マクロ
→ 処理を「命令」する - PowerQuery
→ データの流れを「定義」する
実務では、
「データを整える」工程の8割は
PowerQueryで十分です。
PowerQueryは「失敗しにくい」
もう一つ、大きなメリットがあります。
PowerQueryは、
・元データを直接壊さない
・加工結果は別の場所に出る
・手順が一覧で確認できる
という特徴を持っています。
これは、
Excel初心者〜中級者にとって
非常に大きな安心材料です。
まずは「自動化」しようとしなくていい
PowerQueryを使い始めるとき、
最初から完璧を目指す必要はありません。
・CSVを読み込む
・不要な列を消す
それだけでも十分です。
「毎回やっている作業を1つ減らす」
それが、PowerQueryの正しい始め方です。
次回予告
次回は、
CSVファイルや複数ファイルを
一瞬でまとめる方法を紹介します。
毎月のデータ取込作業が、
どれだけ楽になるかを
実例で体感してもらいます。


