Excel表計算から一歩進む 実務活用ガイド

第5回 集計は関数でやらない

― ピボットテーブルを使えば「まとめ直し」「作り直し」から解放される ―


Excelで集計作業をしていると、
こんな経験はありませんか。

・SUM や COUNT の数式が大量に並んでいる
・条件が変わるたびに数式を直している
・「この集計、別の切り口でも見たい」と言われて作り直す
・気づけば、集計用シートが何枚も増えている

こうした状況に陥ると、
「Excelで集計するのって大変だな…」
と感じてしまいます。

ですが、ここで一度立ち止まって考えてみてください。

その集計、本当に関数でやる必要がありますか?


関数集計が苦しくなる理由

関数による集計は、
Excelを覚え始めた頃にはとても便利です。

しかし、次の条件が重なってくると、一気に苦しくなります。

・データ量が増えてきた
・集計の切り口が増えた
・後から条件が変わる
・別の人から「この見方もできる?」と言われる

この状態で関数を使い続けると、

・数式が複雑になる
・修正箇所が分からなくなる
・コピーミス、参照ミスが増える

という悪循環に入ります。

ここで活躍するのが、
ピボットテーブルです。


ピボットテーブルとは何か?

ピボットテーブルとは、

「同じデータを、自由な切り口で集計し直せる仕組み」

です。

ポイントは、
「一度作れば、作り直さなくていい」
という点にあります。


実務でよくある集計を例に考える

例えば、次のような売上データがあるとします。

・日付
・商品名
・担当者
・売上金額

このデータを使って、

・月別売上
・担当者別売上
・商品別売上

を見たい場合、
関数でやろうとすると、

・集計表を複数作る
・数式をそれぞれ管理する

必要があります。

ピボットテーブルでは、

同じデータから、
ドラッグ操作だけで切り口を変えられます。


「作る」より「動かす」集計へ

ピボットテーブルの最大の特徴は、

集計表を“作る”のではなく、“動かす”

という考え方です。

・行に何を置くか
・列に何を置くか
・値として何を集計するか

を、マウス操作で切り替えるだけで、

・月別 → 担当者別
・商品別 → 担当者×月別

と、瞬時に切り替えられます。

関数でこれをやろうとすると、
ほぼ作り直しになります。


テーブルとピボットは最強の組み合わせ

第1回で紹介した テーブル を覚えていますか。

ピボットテーブルは、
テーブル化されたデータと非常に相性が良いです。

・行が増えても
・データが追加されても

ピボットを更新するだけで、
最新の集計結果に変わります。

「毎月集計表を作り直す」
という作業から解放されます。


関数地獄から抜け出せる理由

関数で集計していると、

・数式の意味を理解する
・参照範囲を確認する
・修正の影響範囲を考える

といった作業が常につきまといます。

ピボットテーブルでは、

・元データを信頼する
・集計方法を選ぶ

この2点に集中できます。

結果として、

ミスが減り、作業スピードが上がり、
説明もしやすくなる

という効果が生まれます。


「関数が使えない人向け」ではない

ピボットテーブルは、
「関数が苦手な人のための機能」
と思われがちです。

ですが実際は、

関数をたくさん使える人ほど、
ピボットの価値を実感します。

なぜなら、

・関数で苦労してきた経験がある
・集計の大変さを知っている

からです。


VBAやマクロは、やはり不要

ここでも繰り返します。

ピボットテーブルにVBAやマクロは不要です。

・必要なのはドラッグ操作
・考えるのは「どう見たいか」だけ

これだけで、

・資料作成
・報告用集計
・分析の下準備

が、一気に楽になります。


ピボットは「考える時間」を増やす道具

ピボットテーブルを使うようになると、

・集計作業の時間が減る
・試行錯誤がしやすくなる

結果として、

「数字を見る時間」
「考える時間」

が増えます。

これは、
Excelを単なる作業ツールから
判断を支える道具に変える大きな一歩です。


次回予告

次回はいよいよ最終回です。

第6回では、
ピボットテーブルで作った集計結果を
「伝わる資料」に変える
ピボットグラフ
を紹介します。

Excelで作る資料が、
なぜ伝わらないのか。
どうすれば伝わるのか。

実例を交えて解説します。

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