Excel表計算から一歩進む 実務活用ガイド

第4回 探す・絞る作業はExcelに任せる

― ワイルドカードを使えば「目で探す」「手で絞る」はもう不要 ―


Excelで作業していると、こんな場面によく出くわします。

・大量の一覧表から、特定のデータを探している
・条件に合う行だけを抽出したい
・似たような名前の商品や取引先が多く、目で追うのがつらい
・結局、並べ替えやフィルターを何度もやり直している

こうした作業をしていると、
「Excelって、意外と不便だな…」
と感じてしまうかもしれません。

ですが実は、Excelは
「探す」「絞る」作業がとても得意なツールです。

問題は、
その使い方を知らないまま、目と手で頑張ってしまっていること
にあります。


Excelで“探す作業”がつらくなる理由

多くの人が、次のようなやり方をしています。

・スクロールしながら目で探す
・Ctrl + F で検索して、1件ずつ確認する
・フィルターを何度も設定し直す

これらは一見、正しい操作に見えますが、
データ量が増えるほど限界がきます。

そしてもう一つ、
探す作業がつらくなる大きな原因があります。

それが、
「完全一致」で探そうとしていることです。


実務データは、たいてい“あいまい”

実務で扱うデータは、きれいに揃っていないことがほとんどです。

・「株式会社○○」と「○○株式会社」が混在している
・「〇〇工事」「〇〇工事(追加)」のように表記が揺れている
・型番やコードに共通部分がある

こうしたデータを、
「完全一致」で探そうとすると、
どうしても漏れが出ます。

そこで役に立つのが、
ワイルドカードです。


ワイルドカードとは何か?

ワイルドカードとは、

「文字の一部が分からなくても、まとめて指定できる記号」

です。

Excelでよく使うワイルドカードは、次の2つです。

*(アスタリスク):任意の文字列
?(クエスチョン):任意の1文字

これだけ覚えれば十分です。


「*」を使うと、検索の考え方が変わる

例えば、
「〇〇工事」という言葉を含むデータを探したい場合。

完全一致で探すと、

・〇〇工事
・〇〇工事(追加)
・〇〇工事_第2期

といったデータを拾いきれません。

ここでワイルドカードを使います。

*〇〇工事*

この指定は、

「〇〇工事を含んでいれば、前後は何でもいい」

という意味になります。

これだけで、
実務でよくある“表記ゆれ”問題を一気に解決できます。


フィルター × ワイルドカードが最強

テーブルのフィルター機能と
ワイルドカードを組み合わせると、威力が倍増します。

例えば、

・商品名に「USB」を含むもの
・取引先名に「商事」が含まれるもの

といった条件も、
ワイルドカード1つで絞り込み可能です。

ポイントは、

・「正確に一致させる」ではなく
・「含まれていればOK」という考え方

に切り替えることです。


COUNTIFS や SUMIFS でも使える

ワイルドカードは、
検索やフィルターだけのものではありません。

COUNTIFS や SUMIFS といった
条件付き集計関数でも使えます。

例えば、

・特定のキーワードを含む売上合計
・特定の取引先グループの件数

なども、
キーワード」という条件でまとめて集計できます。

ここでも重要なのは、
細かく分けすぎないことです。


正規表現を知らなくても大丈夫

ここで安心してほしいのは、
正規表現を覚える必要はないという点です。

確かにExcelには、
PowerQueryやVBAを使えば
本格的な正規表現も扱えます。

ですが、
初級〜中級の実務では、ワイルドカードで十分です。

・覚える記号は2つ
・考え方は「含む」「任意」

これだけで、
作業効率は大きく変わります。


「目で探す」作業は、ミスの元

人の目で探す作業には、
次のような弱点があります。

・見落としが起きる
・集中力が続かない
・同じ作業を何度もやることになる

Excelにできることを、
人がやる必要はありません。

ワイルドカードを使うことで、

「人が判断する作業」と
「Excelに任せる作業」

を、きちんと分けられるようになります。


テーブルとの相性も抜群

第1回で紹介した テーブル
ワイルドカードは非常に相性が良いです。

・データが増えても
・月が変わっても

同じ条件で、
同じ絞り込み・集計ができます。

これは、
「毎回作業するExcel」から
「仕組みとして動くExcel」への変化
です。


VBAやマクロは、やはり不要

ここでも繰り返します。

VBAやマクロは必要ありません。

・覚えるのは *?
・使うのはフィルターや集計関数

それだけで、

・探す時間
・確認する時間
・修正する時間

を大きく減らすことができます。


次回予告

次回は、
「集計は関数でやらない」という視点から、
ピボットテーブルを紹介します。

大量のデータを、
一瞬で「見える形」に変える方法を、
実例を交えて解説します。

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